1. 「給料が上がらないのは、円安のせい?」
「物価は上がるのに、給料は上がらない」。そう感じている人は多いと思います。ニュースでは、日本のGDPがインドと英国に抜かれて、世界6位になる見込みだと言われています。そして理由として、よく「円安」が出てきます。
では、わたしたちの給料が上がらないのも、円安のせいなのでしょうか。IMF(国際通貨基金)とOECD(経済協力開発機構)の数字だけで、順番に確かめていきます。
2. 結論:円安だけではない。給料は円で見ても25年ほぼ横ばい
先に答えです。円安だけが理由ではありません。給料は、円のままで見ても、25年ほとんど増えていません。
GDPの順位は、ドルにして比べるので、円安だと下がって見えます。でも給料は、ドルにしなくても増えていません。だから、国の順位を気にするより、自分の稼ぎ方を考える方が大事です。

3. 日本は何位になる?
IMFの見通し(2026年10月版)では、日本のGDPは2026年に世界4位、4.34兆ドルです。それが2027年には4.47兆ドルになりますが、インド(4.52兆ドル)と英国(4.49兆ドル)に抜かれて、6位になる見込みです。
日本の数字そのものは増えています。それでも順位が下がるのは、ほかの国の伸びの方が大きいからです。


4. ドルで見ると、どうなる?
GDPは、ドルにして比べます。日本のGDPをドルで見ると、2000年は5.04兆ドル、2012年は6.33兆ドルでした。それが2026年は4.34兆ドルです。
円安になると、同じ円の金額でも、ドルにすると小さくなります。順位が下がる理由の1つ目は、この円安です。


5. 成長の速さは?
理由の2つ目は、成長の速さの差です。実質の成長率(2026年の見込み)は、インドが7.0%、英国が1.3%、日本は0.7%です。
日本も少しずつ伸びてはいますが、ほかの国の方が速く伸びています。

6. 日本の給料は上がった?
ここからが、わたしたちの給料の話です。OECDの平均賃金を、物価を引いた実質で、2000年から2025年まで比べます。
韓国は53.1%、米国は30.2%、英国は20.2%、ドイツは19.1%上がりました。OECDの平均は20.6%です。その中で日本だけが、3.3%下がっています。


7. 円で見たら、どう?
「それもドルで比べたからでは?」と思うかもしれません。そこで、円のままで見てみます。
額面、つまりその年の円では、約495万円から約519万円へ、4.8%上がりました。でも物価を引いて、2025年の円で比べると、約536万円から約519万円へ、3.3%下がっています。額面は少し増えましたが、物価の方がもっと上がったということです。
円高だった2012年ごろも、物価を引いた給料は約534万円でした。つまり、円安になる前から、給料は増えていなかったのです。給料が上がらない理由は、円安だけではありません。



8. 円安は、悪いことだけ?
円安には、良い面もあります。円の外から稼ぐ人にとっては、追い風です。
輸出する会社は、海外で売った分が円にすると大きくなります。観光では、海外の人に日本が安く感じられます。海外の仕事を受ける人は、ドルで受け取ると円では多くなります。
困るのは、円だけで受け取って、円だけで使う人です。食べ物やエネルギーなど、輸入する物が高くなるからです。

9. わたしたちは、どうする?
国の順位は、一人では変えられません。でも、自分の稼ぎ方は変えられます。会社の給料だけにせず、円の外でも稼げる形を作る。これが、選択肢の1つです。
1つ目は、副業を1つ持つことです。国の順位が下がっても、自分の稼ぎ方は自分で決められます。
2つ目は、お客さんや仕事を、海外にも広げることです。海外の人と組んだり、海外のお客さんに売ったりします。
3つ目は、AIで言葉と距離の壁を下げることです。翻訳、やり取り、資料づくりは、AIに任せられます。
給料が上がらない構造(多重下請け)については、「日本のエンジニア給料はなぜ上がらない?」の回で話しています。

10. まとめ:国の順位より、自分の稼ぎ方
GDPの順位は、円安でも下がります。給料は、円で見ても25年ほぼ横ばいです。だからこそ、円の外でも稼げる形を、AIを使って作っていく。国の順位より、自分の稼ぎ方を考えることが大切です。
あなたの稼ぎは、円の外にもありますか? ぜひコメントで教えてください。今日のスライドは、下の公式LINEからお配りしています。