AI議事録の作り方|会議メモを整理する3ステップとプロンプト
会議のあと、メモを読み返して「何が決まり、誰がいつまでに動くか」を整理する。その議事録の下書きを、AIに任せる方法です。
先に会議メモを用意し、出してほしい形を指定します。最後に人が事実を確認してから共有します。
この記事では、メモの準備 → AIで整理 → 共有前の確認を順番に説明します。専用サービスの契約前に、架空のサンプルで試せます。
- 走り書きの会議メモから始められる
- 決定事項・やること・保留・論点の4枠を指定する
- 事実確認と機密情報の管理は人が行う
この記事でわかること
AIに任せるのは下書き。決定事項の確定は人が行う
AIには、会議メモの要点を抜き出し、決まった見出しに並べる作業を依頼します。ただし、発言の要約と、会議で合意した内容は同じではありません。
提案が決定事項になっていないか。担当者や期限を勝手に補っていないか。元のメモや録音と照合する工程は残します。
- 人が準備
入力してよい会議メモ
機密情報や個人情報の扱いを確認し、必要な材料だけを用意します。
- AIが下書き
決定・担当・期限を整理
提案と決定を分け、入力にない内容は補わないよう指示します。
- 人が確認
元の情報と照らして共有
出力をそのまま確定せず、会議の合意内容と一致するか確かめます。
提案と決定を分ける。この2点を最初から指示します。
会議メモから議事録ができるまでの3ステップ
やることは、たった3つです。
- STEP 1
メモを用意する
走り書きや文字起こしを集めます。人名・日付などの誤りを先に確認します。
- STEP 2
指示文を作り、AIへ渡す
下のツールで出力の形を指定します。社内で利用を許可されたAIへ貼り付けます。
- STEP 3
事実を確認してから共有する
決定事項・担当・期限を照合し、不明点は参加者に確かめます。
いい議事録に必ず入れる4つの枠
「要約して」とだけ頼むと、ただ短くなった作文が返ってきます。
あとで役に立つ議事録には、この4つの枠を必ず入れてもらいましょう。
| 枠 | 中身 |
|---|---|
| ① 決定事項 | その会議で決まったこと。あとで「言った・言わない」を防ぐ命の部分。 |
| ② やること | 誰が・いつまでにやるか。担当と期限がない議事録は動きません。 |
| ③ 保留・宿題 | 結論が出ず次回に持ち越したこと。忘れ防止のために残す。 |
| ④ 論点メモ | 主な意見や背景。後から経緯を振り返るための短いメモ。 |
特に確認したいのは「誰が・いつまでに」です。会議で決まっていない項目は、埋めずに確認事項として残します。
元メモと議事録の整理例を見比べる
走り書きから、どこまで整理できるでしょうか。下のツールと同じ会議メモを、4つの枠に分けてみます。
以下は説明用の架空例です。整理例は編集部が作成したもので、特定のAIによる実際の回答や、実在する会議の記録ではありません。
走り書きのままで残っている情報
6/22 商品リニューアル定例 参加 田中 佐藤 鈴木 山本 ・新パッケージ案A,Bで意見割れる→アンケートとることに 担当佐藤 来週まで ・値上げ50円 田中OK 山本は反対 結論出ず 次回もちこし ・発売は9月で確定 鈴木が工場と日程調整 ・SNS告知は8月から 担当未定 ・前回の宿題(原価表)田中が共有済み
日付の年、具体的な発売日、SNSの担当者は書かれていません。空欄を推測で埋めないことが、この例の確認ポイントです。
商品リニューアル定例の議事録
日時:6月22日(年は要確認)
参加者:田中・佐藤・鈴木・山本
① 決定事項
- 新パッケージ案A・Bについて、アンケートを行う。
- 発売月は9月。具体的な発売日はメモに記載なし。
② やること
- 佐藤:パッケージ案のアンケートを行う。期限は「来週まで」(具体的な日付は要確認)。
- 鈴木:工場と発売日程を調整する。調整の期限はメモに記載なし。
- 担当未定:SNS告知は8月から。具体的な準備内容と期限は要確認。
③ 保留・宿題
- 50円の値上げは結論が出ていない。次回に持ち越す。
- 新パッケージの採用案は未決定。
- SNS告知の担当者、各作業の具体的な期限を確認する。
④ 論点メモ
- パッケージ案A・Bで意見が分かれたため、アンケートを行うことになった。
- 値上げについて、田中は賛成、山本は反対している。
- SNS告知は8月からとの記載がある。決定済みかどうかも、共有前に確認する。
- 前回の宿題だった原価表は、田中が共有済み。
「確認する」は、この下書きを共有する前に必要な作業です。会議中に担当者や期限が決まった、と読み替えないでください。
人が確認する3つのポイント
文章が読みやすくなっていても、内容が正しいとは限りません。元メモと照合するときは、次の3点から見ます。
1. 提案が「決定」に変わっていないか
誤ったまとめ方の例:「50円の値上げを決定した」
元メモでは結論が出ていません。「次回に持ち越し」と残します。パッケージも、決まったのは採用案ではなくアンケートの実施です。
2. 担当者や日付を作っていないか
誤ったまとめ方の例:「SNSは山本が担当し、7月31日までに準備する」
担当者と準備期限の根拠はありません。「来週まで」も具体的な日付を確認します。発売月の9月を、9月1日と決めつけないでください。
3. 完了済みの仕事を、宿題に戻していないか
誤ったまとめ方の例:「田中が次回までに原価表を共有する」
元メモでは共有済みです。新しい宿題にはせず、完了した事実として残します。
不明点は、参加者や元の記録で確認します。確認できない項目は「未定」「要確認」のまま残し、推測した内容を合意事項として共有しないようにします。
🛠 会議メモを貼るだけ。要約プロンプトを作る
用途を選び、共有してよいメモを入力すると、AIへ渡す指示文ができます。初めてなら「会議メモの例を入れる」から試してください。
これは指示文を組み立てるツールです。AIの回答は表示しません。コピーした指示文を、利用を許可されたAIへ貼り付けます。
録音しかない場合の文字起こし
録音しかない場合は、社内で利用できる文字起こし機能でテキストに変えてから、上のツールを使います。録音や外部サービスへのアップロードは、参加者への案内と社内ルールを確認してから行ってください。
| 手元にあるもの | 次にすること |
|---|---|
| 会議メモ・チャットの記録 | 入力してよい情報だけを抜き出し、プロンプトを作る。 |
| 文字起こし済みのテキスト | 人名・日付・金額など、誤認識が困る箇所を確認する。 |
| 録音ファイルだけ | 利用できる文字起こし機能の対応形式・保存先・利用条件を確認する。 |
特に人名・金額・日付・否定表現は、元の録音と照合します。
会社の会議で使うときの注意点
便利な反面、仕事で使うならこの3つだけは押さえましょう。
✗ 気をつけたいこと
- 未公開の情報・個人情報をそのまま貼る
- 出てきた議事録を確認せず配る
- 会社のルールを確認せずに使う
✓ 安全な使い方
- 社内で許可された情報とサービスだけを使う
- 決定事項は必ず自分の目で確認
- 社内の利用ルール・設定を先に確認
学習への利用、データの保存、共有範囲は別の確認項目です。名前を伏せても内容から特定できる場合があるため、伏せ字だけで安全と判断しないでください。
議事録に使うAIは、確認と修正まで含めて選ぶ
最初は社内で利用を許可されたAIで、架空の会議メモを試します。下書きの速さだけでなく、確認して直す時間も含めて使いやすさを比べてください。
- 提案と決定事項を分けているか
- 担当・期限の不足を「未定」と残しているか
- 元のメモと照合しやすい形になっているか
ChatGPT・Claudeなどの対応機能や利用上限は、プランによって変わります。契約前に各公式ページで確認してください。この記事は製品の優劣を測定した比較ではありません。
AIの回答は必ずしも正確とは限りません。
議事録として配る前に、決定事項や担当・期限は必ず自分の目で確認してください。
機密情報や個人情報を入力するときは、各サービスの利用規約・設定もご確認を。